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フォーメーション分析
(チャートパターン分析)

ここからはテクニカル分析の仕上げとして、フォーメーション分析(パターン分析とも)の手法をご紹介しましょう。
相場には「上昇」と「横ばい」、そして「下降」の3つのトレンドがあることを説明しました。そして、それらのトレンドの中には短い時間足で小さなトレンドを形成していることにも触れました。

さて、このような動きをする相場ですが、さらに投資家心理が反映された特徴的な動きがいくつかあります。チャートのカタチという意味で「フォーメーション」または「チャートパターン」などと呼ばれています。これを大きく分類すると、トレンド転換を示す「リバーサル・フォーメーション」とトレンド継続を示す「コンティニュエーション・フォーメーション」の2つがあります。それぞれのグループにいくつかのパターンがありますので、さっそく見ていきましょう。

リバーサル・フォーメーション

「リバーサル・フォーメーション」とは相場が上昇トレンドから下降トレンドに、または下降トレンドから上昇トレンドに転換する際に表れる特徴的な値動きです。パターンの違いは売り勢力と買い勢力の力の差によって様々 に変化するものと考えていいでしょう。概念図と実際のチャートを見て確認しましょう。

相場が反転するサインがリバーサル・フォーメーションだね

ダブルトップ/ダブルボトム

「ダブルトップ」は上昇を続けてきた相場がある値段で押し返され、一旦は反発するもののまた同じところで跳ね返され、強い売り圧力に押されて下値支持線を割り込むと一気に下落トレンドに入ります。この下値支持線をネックラインと呼びます。またこのネックラインを超えていけば、また上昇する可能性もありますが、もう一度反発された場合、さらに売り圧力が強まったことを意味します。

なお高値と高値を結んだ線は必ずしも同じ値とは限りません。後で付けた値がやや高くなったり安くなったりすることもあります。売買タイミングは最初にネックラインを割り込んだところでもよいのですが、より慎重な売買判断をするのであればすこし様子を見て、もう一度ネックラインをトライし、押し戻されたところで売り判断をします。ポジションを持っていれば決済売り、またはエントリーの売りタイミングにもなります。「ダブルボトム」はダブルトップの逆に考えます。

ダブルトップ

上昇が続いた相場がある値段で下落し、一旦反発するものの再び同じところで下落し続け下値支持線(ネックライン)を割り込むと下落トレンドに入ります。

ダブルボトム

下落が続いた相場がある値段で上昇し、一旦反発するものの再び同じところで上昇し続け上値支持線(ネックライン)を超えると上昇トレンドに入ります。

下のケースはユーロ/ドルの6時間足チャートです。下降トレンドから反転し、ダブルトップを形成すると、一旦はネックラインをブレイクしたものの、反転して下値支持線を超え、さらに上値抵抗線ギリギリまで近づきましたが手前で押し返されました。その後はネックラインをすんなり超え、下降トレンドが形成されました。ダブルトップを形成した後、もう一度上値抵抗線に近づいて跳ね返されているというのは、強い売り圧力があったとも考えられます。

エントリータイミングは最初にネックラインをブレイクしたところになります。より確かさを求めるのであれば、もう一度ネックラインをブレイクしたところでもいいでしょう。

エントリータイミングは最初にネックラインをブレイクしたところになります。より確かさを求めるのであれば、もう一度ネックラインをブレイクしたところでもいいでしょう。

トリプルトップ/トリプルボトム

「トリプルトップ」はダブルトップ同様に上昇を続けてきた相場がある値で押し返され、一旦は反発するもののまた同じところで跳ね返されます。それをもう一度繰り返した後、売り圧力に押仕返されてネックラインを割り込むと一気に下落トレンドにはいるパターンです。ダブルトップ同様に一旦ネックラインを割り込んだあと、もう一度トライして、ネックラインをブレイクして上昇に転じることもあります。もう一度反発されたときにはさらに売り圧力が強まったことを意味します。

エントリータイミングはダブルトップと同じく、ネックラインを割り込んだところです。「トリプルボトム」はトリプルトップの逆に考えます。

トリプルトップ

上昇を続けてきた相場がある値段で押し返され、一旦は反発するもののまた同じところで跳ね返され、強い売り圧力に押されて下値支持線を割り込むと一気に下落トレンドに入ります。
													それをもう一度繰り返した後、売り圧力に押仕返されてネックラインを割り込むと一気に下落トレンドにはいるパターンです。

トリプルボトム

下落が続いた相場がある値段で上昇し、一旦反発するものの再び同じところで上昇し続け上値支持線(ネックライン)を超えると上昇トレンドに入ります。
												それをもう一度繰り返した後、買い圧力に押仕返されてネックラインを超えると一気に上昇トレンドにはいるパターンです。

下のケースはスイスフラン/円の日足チャートです。トリプルトップは上値抵抗線を3回チャレンジして跳ね返されているということから、ダブルトップよりも強い売り圧力が掛かっていると考えられます。したがって、ダブルトップのように様子を見るのではなく、最初に下値支持線を超えたところで売りエントリーします。

なお、下のチャートの例では一旦下落した後反発し、もう一度下落してまた上昇に転じています。この段階で下値支持線が形成されつつあると判断し、決済注文を入れてもいいでしょう。さらに慎重を期すのであれば次に下値支持線で反発したところで決済するのもいいでしょう。

ダブルトップよりも強い売り圧力が掛かっていると考えられる為、最初に下値支持線を超えたところで売りエントリーします。

ヘッド&ショルダートップ/ヘッド&ショルダーボトム

「ヘッド&ショルダートップ」はトリプルトップの真ん中の高値が両側の高値よりも一段高い値を付けたパターンです。「三尊天井(さんぞんてんじょう)」とも呼ばれます。上昇を続けてきた相場がある値段で押し返され、一旦はネックラインで反発するもののショルダーライン(上値抵抗線)をブレイクして上昇し、次の高値ラインで押し返され、ショルダーラインを割り込み、ネックラインまで下げると反転し、またショルダーラインで跳ね返されます。

そして、最後に売り圧力に押仕返されてネックラインを割り込むと一気に下落トレンドにはいるパターンです。トリプルトップ同様にネックラインを割り込んでも一旦反転し、ネックラインを上にブレイクして、上昇に転じることもあり、このネックラインを超えられるかどうかが判断の分かれ目です。

しかし、ブレイクできず、もう一度反発されるとさらに売り圧力が強まったことを意味します。売買タイミングはダブルトップと同じです。「ヘッド&ショルダーボトム(逆三尊)」はヘッド&ショルダートップの逆に考えます。

ヘッド&ショルダートップ

ヘッド&ショルダートップ:トリプルトップの真ん中の高値が両側の高値よりも一段高い値を付けたパターンです。「三尊天井(さんぞんてんじょう)」とも呼ばれます。

ヘッド&ショルダーボトム

ヘッド&ショルダーボトム:トリプルトップの真ん中の安値が両側の安値よりも一段安い値を付けたパターンです。「逆三尊」とも呼ばれます。

次のケースはユーロ/ポンドの2時間足チャートです。ショルダーラインやネックラインが水平になっていませんが、これもヘッド&ショルダーと解釈できます。ポイントは上昇してきたトレンドが押し返され、もう一度上昇して高値を更新し、もう一度押し返された後また上昇するけど、高値更新はできず下落に転じネックラインを割り込んだところでヘッド&ショルダーが完成したと見なすことができます。

そしてエントリーポイントはネックラインを割り込んだところになります。そして、決済ポイントはこのチャートの中では、下値支持線を2回目反発した少し後に置いています。下抜ける可能性がないかどうか確認するためです。

ネックラインを割り込んだところで新規売りをし、下値支持線を2回目反発した少し後で決済買いを入れます。下抜ける可能性がないかどうか確認するためです。

コンティニュエーション・フォーメーション

「コンティニュエーション・フォーメーション」はトレンドの継続途中で表れるもみ合いの一種です。売りの勢力と買いの勢力が綱引きをしているような状態です。最後に決着がつくと、また足並みを揃えてこれまでのトレンドが継続されます。特徴的なパターンがいくつかありますので概念図で確認してみましょう。

トレンド継続のサインがリバーサル・フォーメーションだね。でもダマシには注意。

ペナント(三角保ち合い)

相場で頻繁に現れるパターンが「ペナント」です。観光地でお土産として売られている三角形の旗のカタチからそう呼ばれています。「三角保ち合い(さんかくもちあい)」とも呼ばれるこのパターンは売勢力と買い勢力が拮抗し、次第にある価格に落ち着いていく過程で起こります。上昇している場合は「売り勢力が売り切ってしまえば」上昇トレンドに戻ります。逆に下降トレンドの場合「買い勢力が買い切ってしまえば」元の下降トレンドに戻ります。ただしペナントが収束したときの相場状況によってはトレンドが反転する場合もありますので、エントリーまたは決済するときは「必ず上値抵抗線か下値支持線をブレイクしたことが明らかになるまで待つ」ことが重要です。

このペナントですが、三角のカタチにはいくつかのバリエーションがあります。三角形の上辺や下辺が水平になっているものをウェッジ(くさびの意)と呼び、三角が上向きになっているものを上昇ウェッジ、下向きになっているものを下降ウエッジと呼びます。これらのバリエーションは買い勢力と売り勢力の強さによっていろんなカタチを形成します。概念図を見てみましょう。

ウェッジ

「ウェッジ」もトレンド継続の途中で表れる一種の「中段保ち合い」です。上昇トレンド、下降トレンドで表れる特徴的なパターンは下図の通りです。ただし、相場の世界には絶対はありません。従って、エントリーはフォーメーションの最後に上値や下値をブレイクしたことが明確に確認できるまでは、動きを注意深く見守る必要があります。

万が一ブレイクがダマシに終わったときにはそれまで以上に強い「買い」もしくは「売り」の圧力が掛かっているのことが多いので、損切りポイントもあらかじめ計算して準備しておくことが大事です。

ウェッジにはいくつかの特徴的なパターンがあります。 上値や下値をブレイクしたことが確認できるまでは、動きを注意深く見守る必要があります。 下のチャートはポンド/スイスフランの1時間足です。下降トレンドの途中で表れる典型的なウェッジです。エントリーポイントはそれぞれの下値支持線を下にブレイクしたところになります。 下降トレンドの途中で表れる典型的なウェッジ。エントリーポイントはそれぞれの下値支持線を下にブレイクしたところになります。

下降ウェッジ

下降ウェッジ

上昇ウェッジ

上昇ウェッジ

次のケースはキウイ/円6時間足チャートです。下降トレンドの途中で表れた「下降ウェッジ」と、続いて現れた「上昇ウェッジ」です。エントリーポイントはそれぞれ下値支持線を下抜いたところになります。

ここでは最後にきれいなペナントが形成されていますが、その前のエントリー判断した時に形成された上昇ウェッジよりも高値を更新していますので、もし最初に設定した損切りポイントを上回っていれば、潔く損切りしましょう。損切りポイントに達していない場合は落ち着いて様子をみます。もう一つ下のチャートで確認できるように、セオリー通りに下降トレンドが継続しています。

下降トレンドの途中で表れた「下降ウェッジ」と「上昇ウェッジ」。エントリーポイントはそれぞれ下値支持線を下抜いたところになります。
ここはレバレッジを見ると無理はできない。潔く損切りだな。

上昇フラグ/下降フラグ

「上昇フラグ・下降フラグ」も中段保ち合いの一種です。ペナントの場合、直近の上値にも直近の下値にも届く前に反発を繰り返しますが上昇フラグの場合、直近の上値はブレイクせず、直近の下値だけがブレイクするパターンです。

このパターンもよく相場に表れます。そのカタチも急な角度だったり、緩やかだったりまた、長かったり短かったりと様々です。三角保ち合いと違って「いつブレイクするのか予想できない」ので、エントリーする場合、このサインがでたら、じっくり構える覚悟が必要です。そしてこのような消耗戦の場合、最後にはダマシも発生しやすくなりますので、エントリーを見送ることも賢い選択と言えます。

上昇フラグ

上昇フラグ:直近の上値はブレイクせず、直近の下値だけがブレイクするパターンです。

下降フラグ

上昇フラグ:直近の下値はブレイクせず、直近の上値だけがブレイクするパターンです。

次のケースはユーロ/ドルの週足チャートです。ダブルボトムから反転して上昇トレンドに入ったところで「上昇フラグ」が表れ、7週間後にまた上昇トレンドに戻りました。
エントリーポイントは上昇フラグのブレイクが確実になったところです。

ダブルボトムから反転して上昇トレンドに入ると「上昇フラグ」が表れ、7週間後にまた上昇トレンドに戻りました。
													エントリーポイントは上昇フラグのブレイクが確実になったところです。

少額でのお取引は実効レバレッジが高くなりがちです。相場状況によっては当社に預託された金額を超える損失となる可能性もあります。

スワップポイントは各国の金利政策に合せて予告なく変更される場合もございます。
また各国の金利差が逆転した場合、スワップポイントの受取りから支払いに転じることがあります。

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